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勃起薬を使っても効果なし?!糖尿病でEDになる原因と治療法について

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バイアグラなどのED治療薬を服用したのに効かない、という声をよく聞きます。

とりわけ、処方されたものでなく、個人輸入でバイアグラを試している方に多いようです。

医師や薬剤師ならきちんと説明してくれますが、ED治療薬は糖尿病による勃起不全には効果がありません。

糖尿病が原因でEDになる仕組みや、その治療法を調べてみましょう。

急増中の2型糖尿病について知る

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糖尿病には主に3つの種類があります。

まず、子どもや若年層に多い「1型糖尿病」

生活習慣に起因することの多い「2型糖尿病」

そして、妊娠をきっかけにあらわれる「妊娠糖尿病」です。

医師から薬の使い方について十分な指導を受けている1型糖尿病と、EDに関係のない妊娠糖尿病についてはひとまず脇に置き、2型糖尿病について詳しく見ていくことにしましょう。

2型糖尿病の原因

食生活の欧米化によって、2型糖尿病は今や国民病とも呼べる増加を見せています。

発症の危険因子(原因となりうるもの)は

・加齢
・家族歴
・肥満
・身体的活動の低下(運動不足)
・耐糖能異常(血糖値の上昇)
・高脂血症や高血圧

などが挙げられます。肥満度が高いほど発症率が高まるという傾向があります。

加齢と家族歴は本人の努力では変えられないものですが、肥満や運動不足、適切な食事といった事柄は、今からでも改めることができます。

2型糖尿病の症状

疾病が進行するまで自覚症状のほとんど起こらないところが2型糖尿病の恐ろしさ。

やがて以下のような症状があらわれはじめます。

・猛烈な喉の渇き
・大量の尿
・強い空腹感
・突然の体重減少
・下痢や便秘を繰り返す
・疲労感
・目のかすみ
・眠気
・吐き気
・持久力の低下

これらは糖尿病の基本的な症状に過ぎません。

本当に恐ろしいのは、神経や血管の障害が引き起こされ、重大な合併症につながることです。

起こりうる合併症は下記のようなものです。

・心筋梗塞
・脳梗塞
・下肢の閉塞性動脈硬化症
・末端部の壊死
・糖尿病性網膜症
・意識障害
・昏睡

糖尿病とは決して尿に糖分が混ざる病気ではありません。

重篤な合併症を引き起こす危険な疾病であり、食生活や日常習慣の見直しによって上手に付き合っていくことのできる相手でもあるのです。
(参考:厚生労働省HP

2型糖尿病の体では何が起こっているか?(その1)

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1.インスリンの働きが乱れる

私たちの食べたご飯やパンや胃で消化され、腸の中で糖に分解されます。糖は血液に乗って体中に運ばれていきます。

この時、すい臓ではインスリンという物質が分泌されます。インスリンが体中の細胞膜に作用することによって、糖は細胞内に取り込まれ、初めて栄養になるのです。

ところが食生活の乱れが続いていると、インスリンの出が悪かったり、インスリンそのものに元気がなかったり、あるいはインスリンを受け止める機能がうまく働かなくなってしまいます。

こうして細胞の中にうまく取り込まれずに余った糖が尿として排出され、いわゆる糖尿となるのです。

尿の糖分が高いのはあくまで結果。本当の問題は、体内でインスリンがうまく機能しないことにあるのです。

2.血管の障害が起こる

インスリンによって糖がうまく細胞に取り込まれないと、高血糖の状態になってしまいます。

文字どおり、血液の中に糖分がたくさん含まれている状態です。

糖はやがて終末糖化産物(AGE)という物質に変化し、血管の内側にこびりつくようになります。

湿気で固くなった砂糖が器にこびりついている状態を想像してみてください。

血管は本来とても丈夫な組織ですが、AGEがこびりついた状態が続くと次第にダメージを受け、ボロボロになってしまいます。

細い末端部の血管から崩壊が進み、これが「指のしびれ」「指先や足裏の無感覚」といった症状につながっていきます。

血管が崩壊してしまうと、体の修復を行う血小板などの物質も運ばれなくなってしまいますから、ささいな傷でも回復できず「壊死」にまでつながってしまうのです。

2型糖尿病の体では何が起こっているか?(その2・ED編)

ここまでも十分怖いお話でしたが、いよいよ男性にとってシビアな症状が待ち構えています。

3.神経障害とEDが起こる

糖尿病による高血糖状態が続くと、血管だけでなく神経にもトラブルが生じ始めます。

細胞のメカニズムが狂ってしまい、ソルビトールという物質を生み出して、自らを破壊してしまうのです。

最初にあらわれるのは「多発性神経障害」

感覚や運動にかかわる神経が阻害されることで、痛みやしびれ、逆に感覚の鈍麻が生じ始めます。特に足先は体の最も末端にある部位ですから、症状も最初に現れます。

次に「自律神経障害」。体温調節や内臓の働きなど体の機能調節をつかさどる自律神経にダメージが生じることで、下痢便秘不整脈異常発汗立ちくらみ、そしてED(勃起不全)が起こるのです。

健康な53~90才の男性で「過去5年間に勃起不全、勃起不十分」と感じたのは24%。

対して同年代の糖尿病患者は46~62%と、圧倒的にEDになりやすい傾向が分かります。

自律神経障害が起き始めているにもかかわらず糖尿病の進行を放置していると、急に低血糖の状態に陥り、けいれんや昏睡を起こすことがあります。

バイアグラなどの勃起薬が糖尿病患者に効かない理由

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ここで勃起する仕組みを改めてチェックしてみましょう。

性的刺激を受けると、勃起中枢から一酸化窒素を分泌する指示が出されます。

さらに一酸化窒素はサイクリックGMP(cGMP)という物質を作りだします。

このcGMPの作用により血管が拡張し、海綿体にたくさんの血液が流れ込むことでペニスが大きくなるのです。

バイアグラ、レビトラ、シアリスといったED治療薬はいずれも、このcGMPが分解されることをさまたげる(「抗PDES」と呼びます)ことで勃起をうながし、持続させてくれます。

しかし糖尿病患者は血流障害や神経障害を起こしているので、陰茎に流れる血流自体が少なかったり、勃起の指示が上手く伝わらずにいるのです。

そのため薬で抗PDESの作用を高めても勃起が不十分なままなのです。

これこそバイアグラが効かない、効きにくい理由なのです。

糖尿病によるEDの場合、バイアグラによる効果は約50%と言われています。

海綿体の血液は特に細くできていますから、糖尿病の血流障害で最もダメージを受けやすいのです。

「糖尿病になったからEDがあらわれる」と考えるのではなく、「勃ちにくくなったり中折れしたら糖尿病のサイン」と考える方がよいでしょう。

EDにはまだ「恥ずかしい病気」「人に言いにくい病気」というイメージがあります。

そのため、少なくない糖尿病患者がEDであることを主治医に告げず、自力で治そうと試みます。

ネット通販で海外からバイアグラなどを入手し、自己判断で服薬量を増やした結果、動悸やめまいといった激しい副作用を起こしてしまうケースが後を絶ちません。

ED治療薬は自己判断で服用せず、必ず医師の処方を受けるようにしてください。

糖尿病によるEDの治療法について

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糖尿病患者は、高血糖状態が続くことで血流と神経の両方にダメージを受けているため、バイアグラなどで特定の身体機能に変化を与えても上手く効きません。

大切なのはまず血糖状態をコントロールすることです。

血糖値の状態は「ヘモグロビンエイワンシー(HbA1c)」の数値から判断します。

正常値を目指すならHbA1cが6%未満になることを目標にします。

ED改善の場合は、合併症予防のためのHbA1c目標値7.0%未満にすることからはじめましょう

血糖値コントロールには以下のような方法を実践します。

食事療法

決められたカロリー内で1日3食、規則正しい食事をこころがけます。

1食でも抜くと1日の中で血糖値のバランスが崩れ、高血糖状態になりやすくなります。

糖質を一番体に取り込みやすい夕飯の炭水化物(糖の元)を減らしていくのが最初のステップです。

運動療法

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で血液中の糖が消費され、血糖値が下がっていきます。

定期的な運動にはインスリンを活性化させる作用もあります。ただし、糖尿病の合併症がある場合は運動により体調悪化を招くこともあるので、医師の指示に従いましょう。

薬物療法

インスリン注射や投薬によって血糖値を安定させます。

改善がみられれば、食事と運動療法の二本柱だけで血糖値をコントロールできるようになります。

これらと並行して、減量や禁煙に取り組むことでより効果的な糖尿病治療ができます。

治療を理解し支えてくれる「サポーター」を家族や医療関係者の中に作ることも大切になってきます。

まとめ

食生活の変化によって糖尿病、特に2型の患者が増えています。

糖尿病は血管と神経の疾病です。

高血糖状態が続くと毛細血管と神経がダメージを受け、うまく勃起できなくなります。

勃起不全の原因はいくつかありますが、糖尿病のサインだと考え、早めに受診することが大切です。

糖尿病によるEDはバイアグラが効かない、効きにくいのが特徴です。

食事、運動、薬物療法の三本柱でED改善を目指しましょう。

 

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